sakura12sanの日記

片側顔面痙攣の病気で悩んでいる人へ。経験談を綴ります。

片側顔面痙攣の手術を決意するまでの道のり③ボトックス注射編

ボトックス注射をすることになり、通っている病院の担当の先生が変わりました。

小さいお子さんを育てる、女の先生でした。

 

ボトックス注射については、最初に副作用等が沢山記入されている紙を渡されて、それでもボトックス注射を受ける、という承諾書を提出しました。

 

病院により異なるのかもしれませんが、ボトックス注射は、私の通っている病院ではボトックス注射に使う瓶を1瓶取り寄せる依頼を出して、翌週に届いてから、注射を打つ、という手順でした。

 

私はボトックス注射は、顔に1箇所針を刺すだけかと思っていましたが、ピクピクの出るところ、神経が通ってるいろんなポイントがあり、初めて打ったときも9箇所くらい注射したと思います。

 

先生曰く、ごくごく細い針なので、そんなに痛がる方はいらっしゃいません、と言われましたが、瞼や目の下の柔らかい部分、頬骨のあたり、口角のあたりなど、結構刺す場所は沢山ありました。

痛いな、と感じるところもあれば、それほど痛くないところも。

 

初回は通常1箇所に使う量の半分の量からスタートしましょう、と言われました。副作用等出ても、少量からのほうが安心でしょう、と。

 

1瓶取り寄せますが、使う量は少なく、残りは捨てるようでした。

 

打つ方によっては、ボトックス注射がよく効く、といって、半年ぐらい空く方もいらっしゃる、と言われましたが、通常3ヶ月に1回、と説明されました。

 

薬を飲んでいて、限界を感じて、ボトックス注射に進んだ1回目は、3日目くらいからよく効いてきて、薬とは全く違う、大きな効果を感じました。

 

私の通っていた病院は、1回打つのに、12000円ほどかかりました。ネット検索すると、17000円くらいが相場のようだったので、比較的安くで打てました。

 

1度目は通常使う量の半分でとても良く効いたので、通常量になると、長く効くかしら…と期待が高まりました。

 

が、予想は裏切られて、2回目は量は増えたけれど、早くも2ヶ月目あたりから、症状が出てくるようになり、3ヶ月も空けられない、という焦りが出てきました。

が、ボトックス注射は健康を害さないレベルの毒素を体に入れるので、少なくとも3ヶ月は空けなければいけない、という決まりがあるそうで、不具合を感じても、3ヶ月は待たないと、次の注射は打てません。

 

なので、3ヶ月が待ち遠しく感じるようになりました。

が、2ヶ月目にちょっと症状が強く出てきた…と思ったけれど、また緩和したり…ということもあり、結局、効果は持続しているようでした。本人がどの程度気にするかによっても、効いてる、効いてないの意見が分かれそうです。

 

3回目は、2回目の失敗的な感想もあり、打つ時にピクピク動く箇所が広がっていたので、新たに数ヶ所増やして打ってもらうなど、先生も親身に色々と相談に乗ってくれました。

 

が、ボトックス注射は、基本的に顔の緊張を緩める効果があるため、口角の近くになると、量を増やしすぎると、口角が下ってしまう事もある、と言われ、量のコントロールなど、何度も試して良い量を模索するしかないようでした。

 

普通の顔を保つのは、結構大変だなぁ…と思いました。

口角の位置が、結構難しく、数回ボトックス注射を打ちましたが、初回ほどの感動はなく、打った1ヶ月間は平穏な事が多かったですが、2ヶ月目からは、本当に効いてる?と、疑問に思うほど、痙攣が出たり、目が半分閉じるくらいの圧がかかってきて、目が閉じると口角の位置がズレてきて、自分の顔が、段々と変形することが怖くなってきました。

 

ボトックス注射も、1回12000円で、3ヶ月経ったら、即座に打つ、ということを繰り返していて、年間の医療費は予約に行くのも含めると、おおよそ5万はかかるのが当たり前になっていました。

そんなに高い効果を感じていないけど、薬だけでは太刀打ちできず、ボトックス注射は打たないと、一体どうなる?という不安ばかりが膨らんでいました。

 

そんな時に、ボトックス注射を打ってくれているお医者様に言われたのです。

 

最近、私の患者さんが手術したんだけど、長年我慢されていたので、顔が変形してしまってからの手術で、症状はピタリとおさまったけど、変形してしまった顔は戻らず、もっと早くに手術を決意すればよかった、ていっていたのよね、と。

 

片側顔面痙攣は、手術という完治させる方法を取らないと、薬も、ボトックス注射も結局緩和ケアにしかならないから、治っていくわけではない、と。それでも脳神経外科の手術は恐い、と手術に踏み切る患者さんは少なく、薬やボトックス注射で我慢し続ける人の方が多い。

だから、実際の手術を決意するまでに数年…数十年かかる人も多いけど、緩和ケアは、じわりじわりと悪化する人が多いと思う、と。

進行の具合は人それぞれ、また、感じ方も人それぞれだけど、あなたは気にしているようだし、手術という道も、考えてみませんか?と。

 

あなたの顔は、まだ変形しきってないから、今なら手術で元の顔に戻れるよ、と言われました。

 

手術を決意してから、手術の経験を綴ったブログを数多く読みましたが、変形した顔が戻らなかった、という人はいませんでしたが、強固に歪むと、症状は止まっても、戻らない事もあるのでしょうか。

 

よくわかりませんが、ボトックス注射を打ってくれていた先生の、顔が元に戻らない人もいる、という言葉が私の心を動かしました。

まだ間に合う、という言葉。

 

ボトックス注射を打ってくれている先生が、絶対にお勧めできる素晴らしい先生を知っているので、紹介状を書いてあげる、と言ってくれました。

 

先生の患者さんで、手術を考える人には皆、その先生を紹介しているけど、中には良い先生を紹介してくれてありがとうございました、と手術後、顔を見せてお礼を言いに来てくれる人もいる、というので、その先生に興味が湧いてきました。

 

最初に片側顔面痙攣を診断してもらったMRI画像の入ったDVDと、紹介状を書いていただき、都内の脳神経外科の先生に、私の片側顔面痙攣は治療可能か、相談にだけでも行ってみよう、と思いました。

 

これが、私の手術への決意への第一歩だったとは、この時は思いもしませんでした。

 

まだこの頃は、ボトックス注射で、まだ数年いけそうな気もしていました。

脳神経外科の手術が怖すぎて、手術の相談に行く、というよりは、私の片側顔面痙攣は、手術で治せそうなのか、それだけでも聞いてみたい、という気持ちでした。